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住まいのコラム

【2023年】住宅ローンの金利推移|動向や金利タイプの見極め方も

  • #住まいづくり

【2023年】住宅ローンの金利推移|動向や金利タイプの見極め方も

住宅購入の際に住宅ローンを組む場合、金利タイプは複数種類あるためどの金利が合っているのか悩む人は少なくないでしょう。2022年現在、住宅ローンの金利推移はタイプによって異なります。

そこで今回は、住宅ローンの金利タイプ3つについて解説した上で、2013年~2022年までの住宅ローン金利推移と動向、金利タイプを見極めるポイントを紹介します。住宅ローンは、10年、20年先と長期にわたって付き合うものです。無理なく返済できる金利タイプの判断材料として、ぜひお役立てください。

1.住宅ローンの金利タイプ

住宅ローンの金利タイプには大きく3つの種類があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。3つの金利タイプの特徴を理解することで、金利タイプを選択しやすくなるでしょう。金利推移について解説する前に、まずは基本情報として3つの金利タイプの特徴を紹介します。

・変動金利型

市場金利の動向に合わせて、返済金利が定期的に変動するタイプが「変動金利型」です。通常は半年ごとに金利が見直しされ、低い金利が続けばメリットとなりますが、金利が予想以上に上昇した場合は変動がデメリットにもなり得ます。また、金利が急上昇すると利息が返済額を上回り、元金が減らないだけではなく未払い利息が発生する可能性があることにも注意が必要です。

・全期間固定金利型

ローンを組んだときに決定した金利が、全返済期間を通じて変わらないのが「全期間固定金利型」です。返済期間中に金利が上昇しても、返済額が増えることがないため、返済計画が立てやすいことがメリットです。一方で、返済期間中に金利が低下した場合も返済額が変わらず、市場と比べて高い金利を払うことになるためデメリットとなります。

・固定金利期間選択型

「固定金利期間選択型」は、一定期間だけ固定金利が適用され、固定期間終了後は金利タイプを再選択して返済額を決定します。一定期間ごとに金利の見直しができるため、固定期間終了時点での金融情勢に合わせて金利タイプを選択できることがメリットです。しかし、金利タイプの選択時点で金利が大幅に上昇していれば、返済額も大きく増える可能性があるため、注意が必要です。

2.2013年~2022年までの住宅ローン金利推移

住宅ローンの金利の決定には指標となる数値があり、固定金利なら新発10年国債利回りなどの「長期金利」、変動金利なら日本銀行の「政策金利」を基準にするのが一般的です。各金融機関は、基準となる金利データに加え、景気や為替などの要因を総合的に判断し、住宅ローンを決定しています。

ここでは、過去10年間の住宅ローンの金利がどのように推移してきたのかを解説します。これまでの金利動向を踏まえ、住宅ローンを借入れする際の参考にしてください。

2-1.【変動金利】横ばいが続いている

変動金利の過去10年間の推移を見てみると、複数の金融機関において変動金利は横ばいで、低い水準の金利が続いています。

一部の金融機関では下落が続き、0.5%を下回る金利も珍しくありません。過去最低の金利を出しているケースもあり、目先の金利を見る限りでは、新規借入れや借換えに有利な状況だと言えるでしょう。

2-2.【固定金利】わずかに上昇している

固定金利も、変動金利と同じく過去10年間で下落が続いていましたが、ここ数年はわずかに上昇傾向です。固定金利ローンの代表格であるフラット35でも、2020年以降は緩やかに金利が上昇しています。

しかし、日本銀行は金融緩和を今後も続ける方針を打ち出しており、利上げは頭打ちになることも予想されます。

出典:日本銀行「2%の「物価安定の目標」と「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」」

長期固定金利においても金利上昇はあるものの、過去のデータと比較してみると相変わらず低い水準を保っていることが分かります。

3.住宅ローンの金利は今後どうなる?推移からみた状況

楽天銀行では、2017年から2022年までの5年間、固定金利(フラット35)で1%台以下という超低水準が続いています。

出典:楽天銀行「フラット35の金利推移」

変動金利も低い金利で継続していますが、横ばいの金利はいつごろ上昇に転じるのでしょうか。ここでは、住宅ローンの金利の推移について予想される状況を解説します。

結論から言うと、住宅ローンの金利は2022年以降も大幅に上昇する可能性が低いと考えられます。日本の経済成長率は、少子高齢化による人口減少を背景に鈍化しており、経済を活性化するためには金融緩和を続けるしかないというのが現状です。

また、労働者人口の減少に伴い、住宅ローンを借りる人も必然的に少なくなっていきます。金融機関の間でも顧客の獲得に向けて、金利の引き下げ競争が広がるため、金利は上がりづらいと予想できます。

一方で、アメリカでは2022年に入り、FRB(米連邦準備制度理事会)による金利の引き上げが複数回にわたって実施されています。その影響を受けて、日本も金利の上昇局面に入る可能性がないとは言い切れません。

また、昨今の円安による輸入価格の上昇から、国内の物価もますます上がると考えられています。急激な物価上昇を抑制するために、政府が低金利政策に転換することも考慮しておく必要があります

4.住宅ローンの金利タイプを見極めるポイント

ここからは、それぞれの金利タイプがどのような場合に適しているのか、見極めるポイントを解説します。変動型と固定型の特徴を踏まえ、自分にとって最適な金利タイプを選択するための参考にしてください。

日本では、バブル崩壊後の「ゼロ金利政策」以降、長期にわたって低金利時代が続いています。過去最低水準の変動金利には大きな魅力がありますが、金利上昇のリスクを考えると現段階でも十分に低い固定金利を選び、安定した返済計画を立てることも検討の余地があるでしょう。

つまり、どちらの金利タイプを選ぶかは、金利変動リスクにどれだけ対応できるかが判断材料になると言えます。現在は金利の低さがメリットとなっている変動金利も、返済期間が30年、35年といった長期になると金融情勢が全く異なっている可能性もあります。

そのため、大幅な金利上昇が起こったときにも比較的余裕をもって対応できる人や、借入額が少ない、借入期間が短いといった人は変動金利を選択するメリットが大きいと言えるでしょう。反対に、借入金額が大きい、返済期間が長期にわたるなど、金利引き上げの影響を大きく受ける人は、確実に返済できる全期間固定を選択すべきでしょう。

2022年4月の住宅支援機構の調査では、住宅ローン利用者の7割以上が変動金利を選択しています。しかし、これ以上の金利の低下は考えにくい状況であることから、固定金利を選ぶ人が一定数いることにも注目しておきましょう。

出典:住宅支援機構「住宅ローン利用者の実態調査」

現時点では、すぐに大幅な金利上昇の可能性は低く、変動金利の人気が高くなっていますが、10年後、20年後の金利動向は誰にも分かりません。無理のない返済計画を立てられるのがどちらの金利タイプであるのか、家計の状況や返済期間などを考慮しながら検討しましょう。

関連記事:固定金利と変動金利どっちが自分向き?金利の特徴や選び方を解説

まとめ

住宅ローンの金利タイプには、「変動金利型」「全期間固定金利型」「固定金利期間選択型」の3つがあります。2013年~2022年の金利推移を見ると、変動金利型は横ばいが続き、固定金利はわずかに上昇傾向です。

住宅ローン金利推移から、2022年以降も金利は大幅に上昇する可能性が低いと予想されます。ただし、国内外の状況によって動向は変わるため、政府が低金利政策に転換する可能性もないとは言えません。

住宅ローンの金利タイプで悩んだときは、金利変動リスクにどれだけ対応できるかを判断材料にしましょう。周囲の状況に流されず、無理のない返済計画を立てられる金利タイプを選択することがポイントです。

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