一生賃貸は賢い選択?賃貸と持ち家のメリット・デメリットを紹介!
- #住まいづくり
一生賃貸は、ライフスタイルに合わせて自由に住み替えができることから人気の暮らしです。しかし、若いときは賃貸にメリットを感じていても、結婚や出産といった変化や定年後の貯金や収入によっては、デメリットを感じる人がいるのも事実です。とはいえ、持ち家は多くのお金が必要になるため、躊躇う人は少なくありません。
今回は、一生賃貸は賢い選択なのか、65歳以上の借家率や賃貸・持ち家のメリット・デメリットから紐解きます。一生賃貸が向いている人の特徴と、賃貸を選択した場合の対策法も紹介するので、賃貸と持ち家で悩んでいる人は必見です。
1.一生賃貸は賢い?65歳以上の借家率は?
一生賃貸物件で生活することが賢い選択なのか否かは、定年までに蓄えられる貯金や退職金の有無によって大きく異なります。総務省の「平成30年住宅・土地統計調査」によると、賃貸暮らしをしている65歳以上の高齢者がいる世帯の割合は下記の通りです。
高齢者のいる夫婦のみの世帯 | 単身世帯 |
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12.5% | 33.5% |
出典:総務省「平成 30 年住宅・土地統計調査住宅及び世帯に関する基本集計結果の概 要」
いずれの世帯においても、1993年の調査よりも賃貸率は減少しています。統計時の賃貸率ではありますが、高齢者は賃貸派よりも持ち家が増加傾向にあると言えるでしょう。
2.一生賃貸のメリット・デメリット
賃貸住宅には、持ち家の場合と比べて住宅自体にかかる費用を負担する必要が少なく、金銭面において大きなメリットがあります。一方で、自由に改築できない物件が多かったり、老後に備えた貯蓄が必要になったりといったデメリットも否定できません。
ここでは、一生賃貸に暮らすことのメリット・デメリットを2つずつ解説します。
2-1.メリット
一生賃貸生活を送ることのメリットは、主に以下の2つです。
メンテナンスの負担が少ない |
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賃貸物件の場合、住宅の設備に関するメンテナンスのほとんどは、基本的に管理会社や大家さんが行います。持ち家の場合、長く快適に使い続けるためには、自分たちで建物のメンテナンスを手配しなければなりません。もちろん、費用は全額自己負担です。
分譲マンションの場合も共用部分の修繕には積立金が使えますが、室内のメンテナンスは各部屋のオーナーが行います。 |
住み替えを決断しやすい |
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その時々のライフスタイルに合わせて、最適な間取りや立地の住まいを選択できることが賃貸住宅に住まうメリットです。
例えば子どもたちが成長して個室が必要になったときや、独立して空き部屋が不要になったときなど、状況に応じて住居の広さを選ぶことができます。 転職や転勤で仕事先が遠方になった場合も、賃貸であれば持ち家に比べて世帯ごとの移住が容易です。また近隣トラブルが発生した場合、家に固執することなく早々に退避できる点もメリットと言えるでしょう。 |
2-2.デメリット
一生賃貸生活を送ることによるデメリットは、主に以下の2つです。
老後も固定費がかかる |
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賃貸住宅は、収入の有無にかかわらず、住み続ける限り一定の家賃を払い続けなければなりません。一方、持ち家の場合はローンさえ完済してしまえば、必要なのはメンテナンス費用の確保くらいで、毎月の住居費を大きく減らすことができます。
一生賃貸に住むのであれば、将来もらえる年金額と合わせてどの程度のお金が必要となるか計算し、現役時代に老後の予算を確保しておくことが大切です。固定資産税や住宅ローンの支払いがない分、しっかりと貯蓄しておきましょう。 |
増改築は自由にできない |
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基本的に、賃貸物件で増改築やリフォームを行うためには、大家の許可が必要です。将来病気やケガなどで住宅のバリアフリー化が必要になったり、便利で快適な最新の設備を導入したくなったりしても、大家がノーと言えば工事はできません。
ただし、DIYやリノベーションに理解のある大家であれば、持ち家と同様に手を加えられるケースもあります。 |
3.持ち家のメリット・デメリット
持ち家には、賃貸住宅とは異なりデザインや間取りの自由度が高く、自分好みに家の形を決められるというメリットがあります。一方で、土地や住宅を購入するための資金が必要であり、定期的なメンテナンスも欠かせません。
ここでは、持ち家のメリット・デメリットを2つずつ解説します。
3-1.メリット
持ち家を購入するメリットは、主に以下の2つです。
自由にリフォームできる |
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持ち家は、建てるときと同じように増改築やリフォームを自由に行えます。もちろん、法や条例の範囲内ではありますが、内装・間取り・設備の変更は自由自在です。老後に備えたバリアフリー化や、エレベーターの設置なども自分のタイミングで取り入れられます。木造から鉄骨造に建て替えたり、地下や離れを増やすことも可能です。
大家の顔色を窺うことなく、自分の意思だけで自由に家の形を変更できるのは、持ち家を選ぶ大きなメリットと言えるでしょう。 |
資産価値がある |
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持ち家を選んだ場合、住宅ローン返済を終えれば土地と建物は自分自身の資産になります。そのため、将来子どもや孫に相続させたり、賃貸物件として人に貸したりすることが可能です。不要になったときには売却して現金に換えるという選択肢もあります。
また、団体信用生命保険に加入していれば、住宅ローンの支払いが残っている状態で世帯主に万が一の事態が起こってもローンの完済が可能です。残された家族がマイホームに住み続けられることも、持ち家のメリットと言えるでしょう。 |
3-2.デメリット
持ち家を購入するデメリットは、主に以下の2つです。
多額の住宅購入費・メンテナンス費用が必要となる |
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持ち家を手に入れるためには、土地や建物の購入費だけでなく諸費用や各種税金を支払わなければなりません。家の購入後も固定資産税や都市計画税の納付、さまざまな災害への備えとして火災保険や地震保険の保険料が必要です。
経年劣化に応じた外壁や内装、配管の修繕、故障した設備の交換などにかかる費用も自己負担となります。耐久性の高い建材を使ってメンテナンスの回数を減らしたり、長期間の保証が付くプランを選ぶなど、事前にしっかりと対策を講じておきましょう。 |
気軽に引越しできない |
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賃貸と比べて気軽に引越す決断を下せないことも、持ち家のデメリットと言えます。ライフスタイルの変化や近隣トラブル、転職・転勤で住居の変更が必要になっても、持ち家だと引越しのハードルが高くなる傾向です。
住宅ローンの完済前であれば、引越し後の家賃と返済金で金銭的な負担も大きくなるでしょう。ただし、持ち家の場合は不要になった住宅を売却し、引越しや新しい住居の購入費用にあてるといった選択肢もあります。 |
4.一生賃貸が向いている人|賃貸を選択する場合のリスク対策
一生賃貸を選ぶ場合、持ち家の購入を選ぶ場合、どちらにもメリットとデメリットがあります。どちらを選んだほうが満足度の高い人生を送れるかは、その人のライフプランや目的、経済状況によって異なるため一概には言えません。
一生賃貸に向いている人には、下記のような傾向があります。
【一生賃貸に向いている人の傾向】
- 都心や好立地のエリアに住み続けたい人
- 住宅のデザインや設備に強いこだわりがない人
- ご近所付き合いをしたくない人
- 気分によって住み替えたい人
- 一生現役であちこち飛び回りたい人
- 常に新築住宅に住み続けたい人
- 将来相続できる土地や建物がある人
- 将来自宅を相続させる相手がいない人
- 住宅ローンを抱えたくない人
- 十分な老後資金を確保できる人
- そもそも持ち家に興味がない人
ただし、一生賃貸にはリスクも伴います。将来家賃を支払えなくなる・新しい物件を借りられなくなるといった状況に陥る可能性も考えて、下記のような対策も講じておきましょう。
【一生賃貸におけるリスク対策】
- 年金生活でも家賃を払い続けられる資金計画を立てる
- 残される家族のために生命保険に加入する
- サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)の利用も視野に入れる
まとめ
一生賃貸を選択するのが賢いかどうかは貯金額や退職金の有無によるため、人によっては持ち家のほうが適している場合もあります。厚生労働省の資料によると、65歳以上の賃貸率は減少傾向です。
賃貸と持ち家にはそれぞれ異なるメリット・デメリットがあり、住まいの自由度やコストに大きな違いがみられます。貯金額・退職金の確認はもちろん、何を優先したいかもあわせてよく検討した上で、賃貸と持ち家のどちらにするかを決めましょう。
また、一生賃貸が向いている人の特徴に当てはまった場合も、将来を考えてリスク対策を講じることをおすすめします。